NO YOGA NO LIFE

ヨガやフラワーエッセンス、アロマテラピーなど自然療法に興味があり、心と身体のバランスを取る方法などを紹介していきます。また自然や動物と暮らす中で感じる事なども綴っていこうと思います。

映画「ヒトラーに屈しなかった国王」

今日お話するのは映画の話です。大好きな監督の一人であるノルウェーのエリック・ポッペの作品でDVDを買わずにストリーミングで見れるのはあるかなーと探していて見つけたのが、邦題では「ヒトラーに屈しなかった国王」という戦争映画。見終わっての感想はとっても良かったです。戦争映画ですが主に描かれているのが登場人物の内側の世界ですのであまり戦闘シーンが出てくることがなくエンパスにはお勧めです。もちろん戦争映画なので苦悩や痛みはあるけれども暴力的なシーンがないという意味でですが、、、。

地方都市に住んでるとなかなかマイナーな映画に触れる機会が少なく、昔からミニシアター系の映画は好きでしたが最近は映画を見る機会がすっかり減りました。映画もそうですが古くてアナログな私はネットフリックスなどで見れる作品に見たいものがあまり出てきません。クラシックな映画とか世の中の人は見たくないのかな、いいのが沢山あるのに。

さて映画について話を戻しますとノルウェーに行ったことはあっても、いまいち近代の歴史を知らなかった私にとっては英語字幕だとストーリーについていくのが少し難しくて何回も一時停止して旦那に聞きながら見ました。かなり鬱陶しがられましたけど、、、日本人にとってはスカンジナビアの歴史ってあまり知られてはいないのではないでしょうか。この映画での主人公は1905年という近年になって初めてノルウェースウェーデンから独立をして、隣国デンマークから迎えられたノルウェー初の国王ホーコン7世です。彼だけでなく周辺の人々の心の葛藤や決断もうまく描かれています。第二次世界大戦で中立の立場をとっていた小国ノルウェーがドイツ対イギリス&フランスのどちらにつくかで窮地に立たされた状況や国王としての苦悩と人柄が同じ人間としてリアルに感じることができ非常に共感しました。実際にはこの映画に出てくる登場人物ほとんどに共感してしまう、エリック・ポッペの他の映画と一緒の感じでして、描く人物像はみんなリアルな人間で例えば国王であれば、国王であっても孫を持つおじいちゃんとしての側面やノルウェー出身ではない王族の彼が国民に寄り添う、民主主義のリーダーというか象徴としての地位である立場で何をするかが人間らしくもあり、高潔で尊敬できる人物として描かれています。まさにヨガでいうバガバッド・ギーターに出てくるクリシュナとアルジュナの教えにあったように国王として選ばれた自分のすべきことを最後まで全うする姿勢が素敵でした。人によってはイギリスに亡命したことを批判的に見る方もあるかと思いますが映画の中では亡命後の活動については描かれておりませんで、実際にはイギリスで事務所を作りそこから国民にレジスタンス活動を続けるよう励ましドイツからの奪還に助力したそうです。日本人であれば敵に捕まれば敵に切られる前に自ら切腹するというこれまた高潔で自分を律するというか、ある意味で精神性が高く強い生き方を立派と考えてきて、「穢れ」に対しての潔癖な部分が強いと思うのですが、西洋人は違いますね。いい悪いの問題ではなく、ただ生き残って祖国の為に尽くすということも私には立派な行いに思えるのです。辛い中で生き抜くというのは大変です。日本人とて第二次大戦で多くの仲間や部下、上司、家族を亡くし自分は生きて残ってしまった。いろんな思いを抱きながら生き抜いて来られた多くの戦争体験者の方々がこの日本を引き継ぎ、守ってくださったおかげで今の私達がいると、、、それをいつもお盆の時期になりますと感謝の念と悲しみやら痛みやらが思い出されます。我々の祖先で国の為にと言って戦争で亡くなって行かれた方々、そしてその仲間の意思を引き継ぎながら生き抜いて来られた方々に命を繋いでもらったことに、心から感謝したいと思います。

遠いノルウェーの戦争の映画ですがどの国でも同じような事が起こりうる、そして今こうしてコロナの影響で経済力が低下して危機に陥っている状況も似たような歴史の引き金になったかもしれないとちょうど良いこの時期に考えさせられる機会を与えてもらいました。

エリック・ポッペ氏って絶対素敵な人なんだろうなと思ってしまいます。いつか映画館でちゃんと彼の映画を見たいなあ。そして世界中の多くの人に見てもらいたいなあ。